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IT導入補助金を活用してweb制作するには?手順やメリットを紹介
2020年初頭からのコロナ禍の影響もあり、助成金や補助金という言葉が多く聞かれるようになりました。
助成金や補助金とは国や地方自治体から受けられる支援金のことですが、ホームページ制作や業務支援ソフトなどのITツールの導入に対しても補助金が支給される制度があります。
その中の一つが「IT導入補助金」です。この記事ではIT導入補助金でweb制作する方法について、わかりやすく解説します。
ぜひご一読ください。なお、この情報は2022年3月に経済産業省から発表されている情報を元にしており、執筆時点から変更されている可能性がありますのでご注意ください。
記事の目次
そもそも助成金と補助金の違いとは?
助成金と補助金は、国や地方自治体から交付されるお金という点は一緒ですが、目的が違います。
つぎのようになっています。- 助成金:労働環境の改善等の企業を支援する目的
- 補助金:新規事業や創業促進、雇用の安定などが目的
助成金は、コロナ禍での休業要請に応じて従業員を解雇せず、休業手当などを支給した企業に費用の一部を補助したものが例に挙げられます。
要件を満たせば、必ず支給されるお金です。それに対して補助金は、国の政策目標に沿った事業を行う企業に対して支給されるお金で、審査を受ける必要があり、要件を満たしても必ず支給されるとは限りません。
「IT導入補助金」もホームページを制作するという理由だけでは支給されません。
補助対象や補助条件について詳しく見ていきましょう。IT導入補助金とは?補助内容や補助対象となる企業や事業
IT導入補助金は、国内の中小企業などに対し、業務の効率化や売上の向上を目的とした、ITツールの導入費用が補助されるものです。
補助対象となる事業者
補助対象となる業種は次のとおりです。
- 飲食業
- 宿泊業
- 卸、小売業
- 運輸業
- 医療、介護、保育
- 製造業
- 建設業
- サービス業
- 旅館業
ただしこの制度は「中小企業・小規模事業者等」を支援するためのものなので、資本金や従業員数などに制限があります。
詳しい対象となる事業者は、IT導入補助金|補助対象となる事業者で確認できます。
補助対象となる事業
補助対象となる事業は、このように発表されています。
通常枠(A・B類型)
以下の要件を満たす事業に対して補助を行います。
1.日本国内で実施される事業であること。
2.IT導入支援事業者が登録するITツールを導入する事業であること。
ただし、交付決定前に契約、導入等を行い、それに伴い発生した経費は補助対象となりません。
(引用元:補助対象となる事業)つまり対象になるのは、事務局に登録された「IT導入支援事業者」から提供されたツールの購入費になります。
IT導入補助金をweb制作費に活用するには|IT導入支援事業者について
補助金の受給対象は、パートナーと呼ばれる「IT導入支援事業者」が事務局に登録し認定を受けた、ITツールの導入費用です。
では、どうすれば補助金を活用してホームページを制作できるのか解説します。
web制作する上で補助金が支給されないケースとは
IT導入補助金を活用して自社のホームページを制作したいと考える企業が気をつけなければいけないのが、「補助金が支給されない」というケースです。
「ホームページ制作費用」というだけでは補助金が支給されず、サーバー代やCMSツールなどの費用は対象になりません。
ホームページの制作に補助金を活用するには、そのホームページが「業務の効率化」や「売上の向上」に直接つながるものでなくてはなりません。
そのため、自社の紹介ページや社員のブログの作成などでは補助金の対象とは認められないことが多くなります。具体的には、つぎのようなITツールを導入したホームページならば対象になります。
- ECサイト(通販サイト)の制作ツール
- 顧客管理や予約システムなどのツール
- チャット機能やアンケートフォーム機能がつけられるツール
このようなサイト制作には、多額の費用や時間がかかることがあります。
この作業をサポートしてくれるのが、IT導入事業者です。IT導入事業者とは
IT導入事業者とは「パートナー」とも呼ばれ、補助事業を申請者とともに実施する共同事業者です。
パートナー企業は、事務局に登録し認定されたITツールを提案し、補助金の申請手続きのサポートもします。
パートナー企業が行うITツールの導入コンサルティングも補助金の対象になりますので、web制作に慣れてなくても安心して任せることができます。
IT導入事業者や提供されるITツールの検索は、IT導入支援事業者・ITツール検索から検索できます。
※2021年度版になりますので参考程度でお願いいたします。【2022年度】IT導入補助金で支給される補助金額
では実際に支給される補助金の額について解説します。
ホームページ制作のために支給される補助金として該当するのは、主に「通常枠(A類型・B類型)」になります。
通常枠の概要は次のとおりです。(引用元:IT導入補助金2022)
事務局で定められたプロセス要件を満たしている数が1つでもあれば、150万円を上限とした費用の半額が支給されます。
プロセス要件を満たす数が4つ以上あり、賃上げ目標などの条件も満たせば最大450万円まで支給されます。デジタル化基盤導入枠とは
2022年度では、通常枠に加えて「デジタル化基盤導入枠」が追加されました。
※2021年度のC類型・D類型から変更されています。(引用元:IT導入補助金2022)
PCの購入費が対象になるのは大きな変更点になりますが、執筆時点では詳細な公募要領について、未発表の部分が多くあります。
筆者が「ホームページ制作のためのPC購入費は対象になるのか」と電話で問い合わせましたが、明確な回答は得られませんでした。デジタル化基盤導入枠については、詳細が分かり次第解説します。
IT導入補助金を活用してweb制作するメリット
IT導入補助金については、制度が複雑で分かりにくいという意見も多くあり、採択率は40%〜60%程度と言われています。
では、補助金でホームページを制作するメリットはどこにあるのでしょうか。
次の3つが挙げられます。- 低予算でホームページを制作できる
- ITツールを使った高性能なページを作成できる
- ECサイトの作成で販路を拡大することができる
一番のメリットは、パートナーであるweb制作会社にツールの提供と制作のサポートを依頼することで、予算を抑えて思った通りのwebサイトが制作できることです。
高性能なwebサイトの制作費用をweb制作会社に依頼すると、かなりの金額になることがあります。
web制作会社を外注する相場については、【費用が不安?】幼稚園・保育園ホームページ制作の相場や注意点を徹底解説します!でも解説しています。パートナー企業から提供されるITツールは、自社で設置するには難しい機能でも簡単に付けられるものもありますので、顧客が満足できる高性能なページができます。
また「ECサイトは費用が高額で手が出せなかった」という企業でも、補助金を活用することでECサイトが作成でき、世界中に顧客を作ることができます。
ITツールの導入から補助金申請、採択までの手順
webサイト制作のためのツールを導入し、補助金を申請して採択されるまでの手順を解説します。
手順はつぎのようになります。
- ITツールとIT導入事業者を決定する
- gBizIDプライムアカウントの取得とSecurity Actionへの申請を完了する
- IT導入事業者と共同で交付申請をする
- 交付が決定する
- ITツールの発注、支払いを完了し、導入する(補助事業の実施)
実際の申請はIT導入事業者と共同で行いますので、だいたいの流れで大丈夫です。
交付決定までは、事業の発注や契約などはできません。
交付決定前にツールを発注してしまうと、受給できなくなりますのでご注意ください。まとめ:IT導入補助金の活用はIT導入事業者のweb制作会社と共に
自社のホームページの制作に国からの補助金を活用できれば、費用面で難しかった高性能なページを制作できます。
web制作会社の中にはIT導入事業者として登録済みの会社もありますので、ツールの提供や導入サポートの費用も補助金で賄うことができます。
ECサイトのような高性能なサイトツールも補助対象になりますので、ぜひ補助金を活用してみましょう。