-
WordPressで多言語化する方法とポイントをわかりやすく解説
2022年、新型コロナウィルス感染拡大の影響で停止中だった観光目的の外国人の受け入れが再開され、日本に関心のある外国人からのインバウンド需要が高まりつつあります。
インバウンド(inbound)とは、外国人が旅行などで訪れることをいいます。
日本の商品やサービスに関心を持つ外国人のため、WordPressで制作した webサイトを多言語化したい。
しかし、サイトの文章をそのまま自動翻訳するだけで大丈夫かと、不安になりませんか。この記事では、WordPressで制作したwebサイトを多言語化する方法について解説します。
多言語化サイトを制作する上で注意したほうが良い点も解説しますので、ぜひご一読ください。
記事の目次
なぜ多言語化が必要?|WordPressで多言語化する意義
多言語化することは、海外からのユーザーを顧客として獲得することにつながります。
英語で日常的に読み書きする人口は15億人以上と言われています。webサイトが日本語と英語に対応するだけで、ビジネスチャンスが広がるのです。
まだ多言語に対応している日本の企業サイトは少なく、多言語化することは他社サイトとの差別化にもなります。
WordPressで多言語化する方法3つ
WordPressで多言語サイトを制作する方法について解説します。
前提として、契約中のサーバーが海外からアクセスが可能なのか、設定を確認する必要があります。サーバーによっては、海外からのアクセスを拒否してしまうことがあります。
海外からアクセスできることを確認したら、次の方法で多言語化しましょう。
言語ごとに別々のwebサイトを構築する
まず国や言語ごとのサーバーにWordPressをインストールしてwebサイトを制作する、シンプルな方法があります。
アメリカならば、アメリカのサーバーにアクセスしてもらえるので表示速度が速くなります。ただしコストが大きいです。
または、同一サーバー内でサブドメインやサブディレクトリを設定し、言語ごとの独自のURLを使う方法もあります。
サブドメインの設定には専門知識が必要になります。サブディレクトリは、ターゲットの国用のカテゴリーを作成すれば設定できます。
どちらの場合も、多言語用に増やしたドメインやディレクトリ分、サーバーに負荷がかかるのでご注意ください。
多言語化に対応したWordPressテーマを使う
今までのwebサイトを、多言語化に対応したWordPressテーマで制作することでも多言語化できます。
多言語化に対応したテーマならば、1つのサーバー内でいくつもサイトを制作することなく多言語化することができます。
「LIQUID PRESS」は、プラグイン不要で多言語サイトを構築することができる独自機能を搭載しています。
言語切替リンクや言語アノテーション自動対応など、機能も充実しています。プラグインを使って作成する
なるべくコストやサーバに負荷をかけたくない、すでに本格的にサイトを運用していてテーマの変更が難しいなどの場合は、プラグインを導入するのがおすすめです。
プラグインの導入は、プログラミングなどの専門知識が不要で工数の削減にもなります。導入しないのに比べて、簡単に多言語化できることがメリットです。
多言語化に対応したプラグインの例としては、次のようなものがあります。
「Polylang」は、無料で利用できるプラグインです。言語パックにより対応言語が豊富で、多言語化したコンテンツなどに日本語で作成した記事を関連付ける方法になります。
「Bogo」は、問い合わせフォームの「Contact Form7」を開発した、Takayuki Miyoshi氏が提供するプラグインで、自動でサブディレクトリを生成してくれる機能があります。
デメリットとしては、プラグインに依存することでサイト制作の自由度が薄れるということがあります。
またWordPressの更新でプラグインが対応しなくなったり、プラグインに不具合が生じたりすることもあります。
プラグインに依存せず自由に多言語サイトを制作したいが、webサイト制作やプログラミングに詳しい社員がいないという場合は、web制作会社への依頼もおすすめします。
WordPressで多言語化する際の注意点3つ
多言語サイトは、対応したテーマやプラグインを使えば比較的簡単に制作することができます。
しかし多言語サイトの制作で大事なのは、ただ翻訳するだけではなく、サイトがターゲットの国の人に役に立っているかということです。
では、多言語サイトを制作する際に留意しておきたい点について解説します。
翻訳されたサイトとしても質の高いものにする
既にあるサイトの文章を機械で翻訳しそのまま掲載すると、Googleのガイドライン違反になります。
Googleガイドラインに違反すると、検索順位の低下などのペナルティを受けることがあります。Googleガイドラインに違反したらどうなるかについては、そのSEO対策は間違っている?Googleガイドラインに違反する施策まとめで詳しく解説しています。
日本語で書かれたように見えるサイトの文章が、どこか機械が翻訳したような、不自然な文章に感じたという経験はありませんか。
自動翻訳ツールを利用することは間違いではありませんが、その言語を母国語にする人が読んだとき不自然に感じないように、人の手によるチェックが必要です。
多言語サイトの制作においても、単なる翻訳作業ではなく、その国の人にとって質の高い、役に立つサイトになるよう心がけましょう。
言語を切り替えられるリンクをつける
多言語化したサイトには、目立つ位置にテキストで「言語切替リンク」を貼っておきましょう。
ユーザーがアクセスしてきたIPアドレスから判断して、自動で言語を切り替える方法もあります。
しかし、日本に旅行に来ていた外国人が情報を調べたいとき、日本語のサイトしか表示されないのでは困ってしまう人もいます。
IPアドレスの該当の国に住んでいる人が、その国の国民とは限りません。
ユーザーが最初に見る、トップページの上の方に「English」「Japanese」などとリンクを設置するのがおすすめです。デザインの崩れやNG表現がないか確認する
日本で使われる検索サイトは、GoogleとYahoo!でほぼ100%になりますが、中国での圧倒的シェアは百度(Baidu)の73%で、Googleは3%にすぎません。
(参考:テクニカルSEOブログ)日本でSEOと呼ばれる検索上位に表示させるための施策は、Googleで検索した場合を想定しています。
どこの国でもGoogleがトップシェアではないことを念頭に置いておきましょう。そのうえで、他国の言語にしたときの文字量の違いでデザインが崩れていないか、日本では問題ない言葉や表現が、他国ではNGとされていないかも確認しましょう。
日本では大丈夫だったとしても、他国では差別用語になることがあります。
アメリカでは、政治や宗教の話は、初対面では特に避けたほうが良い話題と言われているそうです。まとめ:WordPressでの多言語化はプラグインや対応テーマを使うと簡単
インバウンド需要が高まっている現在、海外から日本の企業サイトへのアクセスはこれから増えていく可能性があります。
多言語化は海外の顧客を獲得し、ビジネスチャンスが広がることにもつながるのです。
WordPressでの多言語化は、多言語化に対応したテーマを利用したり、既存サイトを多言語化するならプラグインを利用したりすると、楽に多言語化が実現できます。
テーマの変更が難しい、プラグインに依存しないサイト制作をしたいが難しいという場合は、ぜひweb制作会社への依頼もご検討ください。