• Webサイトをhttpsにする必要はある?常時SSL化はSEOの影響にも

    あなたの手がけるWebサイトは、常時SSL化されていますか?
    「SSL化とは?」と疑問に思った方は、まずは自身のサイトのURLをチェックしてみてください。
    「https://~~~」ではなく、「http://~~~」と表示されている場合、SSL化の設定がされていない可能性が高いです。

    そもそも、サイトの健全な運営のために、常時SSL化は必要なのでしょうか?
    今回は、「常時SSL化の概要」と「SSL化する際の注意点」についてまとめました
    ぜひ参考にしてみてください。

    常時SSL化(HTTPS)とは

    結論から伝えると、「常時SSL化の設定はするべき」です。
    大手検索エンジンのGoogleも推奨しており、長期的にサイト運営していくなら、必ず知っておいた方が良い内容でもあります。

    まずは、常時SSL化とはどういうものなのか、理解しておきましょう。

    常時SSL化とは

    常時SSL化とは、「インターネット通信を暗号化すること」を指します

    インターネット上は、サイトの大小に関わらず、常に悪意のある第三者からの脅威にさらされているのが現状です。
    特に、駅やカフェなどで近年増えている無線LAN(Wi-Fi)は、通信が暗号化されていないため、安全性が低いとされています。

    サイト自体を常時SSL化することで、セキュリティを強化し、以下のような対策につなげる効果があります。

    • 顧客の個人情報が悪用されることを防ぐ
    • データを改ざんされるリスクを減らす
    • なりすましによるフィッシング詐欺を防ぐ
    <補足:「常時」SSL化の変遷>
    以前は、ユーザーの個人情報を入力する「購入フォーム」や「問い合わせページ」といったサイトの一部のみを暗号化することが一般的でした。しかし、個人情報を入力しないページであっても、ユーザー行動に関するプライバシー保護・サイト保全のためには、SSL化が必要不可欠です。そのため、現在では、サイト全体をSSL化(常時SSL化)することが主流となっています。

    HTTPSとは

    HTTPSは、Hypertext Transfer Protocol Secureの略。
    常時SSL化のために使われる、インターネット接続プロトコルのことを指します。
    ユーザーの端末とサイトのデータの送受信で、安全性・機密性を高めるために使われています。

    とはいえ、設定の際に複雑なプロトコルの内容を、必ずしも覚えておく必要はありません。
    まずは、「SSL化=HTTPS化」という認識をしておきましょう。

    常時SSL化はSEOにも関係する

    常時SSL化は、サイトの安全性を高めるだけでなく、SEOの観点からも良い影響を与えます。

    検索エンジンからの良い評価につながる

    サイトのSSL化は、Webのセキュリティを高度なものにするために、Googleが最も注力していることの1つです

    Google は、2014年に、サイトごとのSSL化の有無を検索ランキングに影響させると発表しました。
    (※参照:Google ウェブマスター向け公式ブログ「HTTPSをランキングシグナルに使用します」)
    これにより、「SEOで優遇させるためには、SSL化すべき」というサイト運営者たちの考えが普及しました。

    現在は、多くのサイトのSSL化が進んでいるため、「SSL化するとすぐに検索上位になる」という簡単な仕組みではありません。
    しかし、セキュリティやユーザビリティの高さは、Google が検索上位にあげるサイトを選択するための、大切な判断材料です。SSL化によってサイトの質を高めると、長期的な視点で表示順位を上げることにつながっていきます。

    ユーザーの満足度向上・離脱防止ができる

    2018年のGoogle の働きかけにより、現在はユーザーからも「SSL化されているか・されていないか」の区別がつきやすい表示になっています
    (※参照:Google ウェブマスター向け公式ブログ「Chrome のセキュリティにとって大きな一歩: HTTP ページに「保護されていません」と表示されるようになります」)

    Chrome上のサイト表示では、URLの隣に南京錠のマークがついているのを、誰しも見たことがあるのではないでしょうか。

    SSL化されていない「http://~~~」から始まるサイトには、「保護されていない通信」と表示される仕組みがあります。
    「SSL化」という言葉を知らないユーザーでも、「保護されていない通信」という表記を見ると不安になり、セキュリティ意識が喚起されますよね。
    SSL化されていないサイトについては、「このWebサイトは危険かも?」と思うことで、ページを閉じてしまうこともあるでしょう。

    反対に、SSL化されている「https://~~~」から始まるサイトは、南京錠をクリックすると「この接続は保護されています」と表示されます。
    そのため、ユーザーが安心してサイトを閲覧したり、ショッピングを楽しんだりしやすくなる効果があります。

    常時SSL化における注意点

    サイトを常時SSL化するには、設定前に注意点もチェックしておきましょう。

    サイトのURLが変更される

    SSL化すると、「http://~~~」から「https://~~~」にURLが変更されます。
    たった1文字の「s」だけですが、サイトが全く異なる住所になると認識しておきましょう

    新しいURLを設定したら、ユーザーが迷子にならないようにしっかりと周知する必要があります。
    また、SNSでシェア・いいねされている数もリセットされてしまうので、改めてカウントを積み上げていく根気が必要です。

    SSL化が有料の場合もある

    SSL化には、導入費用や証明書の発行費用がかかるケースがあります
    レンタルサーバーによっては無料でSSL化できるものもありますが、より高度なレベルの認証・保護を行いたい場合は、年間数万円の出費が別途かかることを見込んでおきましょう。

    SSL化の設定方法は、使用しているサーバーによって具体的な手順が異なるので、各種サーバーのページで確認してみてください。

    常時SSL化をした後の処置

    常時SSL化の設定後には、さまざまな対応が必要です。
    1つ1つは簡単な作業ですが、対応漏れがあると「サイトを見られない」「データが消えた」などのトラブルにつながりかねません。
    忘れずにメモして、実施の流れをつかんでください。

    301リダイレクト設定

    301リダイレクトとは、Webページを永続的に移転先に転送する設定です
    ユーザーが過去のURLにアクセスしたとしても、新しいページに誘導することができます。
    「.htaccess」ファイルやPHPなどを使用して、リダイレクトを行いましょう。
    (リダイレクト方法は、サーバーによって異なります。上手くいかない場合は、サーバー会社やサーバー管理者に問い合わせてみてください)

    canonicalタグの確認

    canonicalタグは、ページ内容が重複している場合に正規ページを伝えるために使用します。
    このタグにSSL化前のURLが表示されていると、SEO評価がばらけて、検索順位に影響してしまいます
    htmlファイルの <head>内にcanonicalタグを正しく設定しましょう。

    サイト誘導ページのURL変更

    SNSやランディングページなどに旧URLを貼りつけている場合は、SSL化後の新しいURLに変更しておきましょう
    リンク先を変更すると、新規ユーザーにとってアクセスしやすい環境を整えられます。

    アクセス解析ツールの再登録

    Google Search ConsoleやGoogle Analyticsといったデータ解析ツールは、新しいURLに再設定しておきましょう
    解析ツールは、「http://~~~」と「https://~~~」を別のサイトとして認識します。
    SEOのための分析を継続するためには、SSL化したら早めに切り替えておくことをおすすめします。

    まとめ:常時SSL化でサイトとユーザーを守ろう

    常時SSL化は、SEOの観点(ユーザビリティの高さ)から見ても、サイト保全の観点から見ても、必ず行っておくべき取り組みです。
    Googleサービス全体での暗号化の割合は、2021年1月末で95%ほど。
    (※参照:Google 透明性レポート「ウェブ上での HTTPS 暗号化」)
    インターネット需要が高まるなか、ユーザーにとっても、これからますますセキュリティ意識は高まっていくでしょう。

    5年ほど前に比べると、SSL化のコストの高さや工程の煩雑さの壁は、確実に低くなっています。
    数年前に構築したサイトをSSL化せずに運営している場合は、SSL化を検討してみてください。

    また、迷ったときは、Web制作のプロに相談するのもひとつの手段です。
    効率的にサイト運営するために、最善の方法を見つけていきましょう。

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